こぶ志焼について
1946年、「北海道岩見沢」の地に、初代「三秋(みあき)」が開窯しました。
桜とともに、北国に春の到来を告げる辛夷(こぶし)が、初窯を焚いた時に咲いていたことから「こぶ志窯」と名付け、現在では、『こぶ志焼』として多くの方々に親しまれています。道内の素材を活用しながら、こぶ志窯の礎となった海鼠釉(なまこゆう)の器をはじめ、食卓を彩る『うつわ』を中心に製作しています。
創窯時の北海道はやきもの不毛の地であり、土作りから焼き上げるまでを全て行わざるを得ませんでした。国内の各産地でそれぞれ特色のある器が焼かれていたこともあり、こぶ志窯の「北海道の風土」を意識したものづくりは、当時からの試行錯誤の積み重ねにより徐々に蓄積され、現在もその途上にあります。
窯の燃料や設備などは時代とともに技術発達してきましたが、時代の変遷にもまれつつ、原料、粘土、生活様式、流行の変化などに対応しながらも、創窯当時から受け継いでいる「手作りへのこだわり」の姿勢はもちろんのこと、成形法(ロクロ、タタラ作り)、釉薬(ゆうやく)など昔からの技術を、こぶ志窯は現在でも守り続けています。また、粘土から焼き上がりまで1~2ヶ月程度かけ、ひとつひとつ手づくりでありながら、同じ形、大きさ、色合いに仕上がるよう制作しています。
流通機関の発展により、精製された全国各地の良質な原料が簡単に手に入るようになった昨今ですが、それ故に、『北海道のやきもの』とは何かを、自己に問いかける日々です。
我々の取り組み
やきものづくりは、製土に始まり、成形、乾燥、焼成と、製作工程は複雑で時間のかかるものです。
その工程のひとつひとつに、これまでの「歴史」の中で三代にわたって積み上げてきた「技術」、広大な北海道の地に多様に存在する原材料である「素材」を、様々な形で活用したいと考えています。
こぶ志窯では、無限の可能性を秘めた道内原料を、これらの一貫作業の中で少しでも多く取り入れ、道内産素材の特質を『こぶ志焼』に生かし、ふくらませていきたいと考えています。
そのため、道の途中で偶然見つけたもの、見聞きした土や石などの道内原料を持ち帰り、釉薬に向くもの、素地に向くものを見極めつつ試験を重ね、少しずつではありますが、それが器に反映されつつあります。また、こぶ志窯を代表する釉薬である「海鼠釉」や「辰砂釉」も、時代に合う色合いを模索しつつ、釉薬の基礎試験により今も改良が続けられています。
デザイン性に重きをおいたやきものが多いと感じる昨今、あらためて、ロクロや釉薬、土づくりなどの「技術」、あるいは道内原料を主とする「素材」を見つめ、「デザイン」と「技術」と「素材」の調和したものづくり、さらには「産業」としてのやきものを北海道に根付かせ、『本物』を目指し研鑽に励みたい、こんな事を感じ、今後も、こぶ志窯の大きなテーマとして突き詰めていきたいと我々は考えています。
こぶ志窯の今
現在、数種類の含鉄原料から鉄釉を、釉石(ゆういし)や火山灰からは様々な基礎釉(様々な釉薬の元になる調合)をすでにこぶ志の釉薬として製品化しています。また試験を重ねている道内原料主体の土作りも素地の調合にめどがつき、量産化するために道内原料100%の土作りに取りかかり、器になりつつあります。
作家紹介
1991年 名古屋工業大学卒業
1993年 多治見市立陶磁器意匠研究所修了
B級グルメ食べ歩き
日帰り温泉を楽しむ
海外サッカーTV観戦
俳句、はじめました
- 今月の俳句
- か
落葉搔く軽トラ荷台四人衆
二代目当主 山岡 憬 が七十九歳にて
永眠いたしました。
ここにお知らせ申し上げます。
私達のお気に入り
- 空知を観光したければ……
- こぶ志焼に触れてみたい
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